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「BOYS LOVE」DVD版と劇場版
「BOYS LOVE」DVD版は2006年11月末に発売されたDVD作品。「BOYS LOVE」劇場版は2007年9月にDVD版の設定を大幅に変更して劇場公開された作品。やっとこの2作品両方を見たので、多少ネタバレ含みで感想を。キャストの配役については前に色々書いたんでそのへんは抜きで。
■BOYS LOVE DVD版
出版社に勤める間宮が、モデルでイラストも描く高校生「如月のえる」を取材するところから話は始まるわけですが、こののえるが所謂「魔性受け」。間宮を誘惑したりいろんな男と寝たりしてるわけです。のえるの高校の友人古村がひそかにのえるを想っていて、のえると親しくなっていく間宮を嫉妬するわけですね。
とかまぁ適当に書きましたが、バブルやおい(80~90年代のバブル時期によくあったようなやおい)を彷彿とさせるストーリー展開です。合間合間になんかゲーテとかヘミングウェイとかの哲学的なテキストが流れるのが、余計にバブルやおい的というか…。

古村の嫉妬シーン
登場人物が少ないので、間宮とのえるの微妙な関係と、古村とのえるの関係がうまくストーリーに絡み始めて動き出すので、よく言えば見やすい、悪く言えばものたりない感じです。間宮がのえるを心配する気持ちはわかるんですが、のえるがなんで間宮を好きになっていくのかがあんまり見えないんですよねー。心配してくれる間宮のことを好きになっていくっていうことを描きたいのはわかるんだけど、イマイチそのへんが微妙。古村のキャラがもうすこし描けていたらあの唐突さはもうすこし緩和したんじゃなかろうかと思うけど、あの唐突さが面白かったりもする…この辺はかなりストーリーの核心なのでさすがに書きませんが。
エロシーンはそんなにないんですが、のえるがいきなりレストランのトイレで間宮にフェラったり、のえるがおっさんといたしてるアヘアヘシーンがあったりと急激展開にびっくりすることうけあい。いやぁー、本当にのえる役の斉藤工はがんばっていると思います。あと、露骨にハダカシーンが多いのが笑えます。シャワーシーンの露骨さとか、なんか部屋で急にサンドバック殴り始めたり(ていうかなんで部屋にサンドバックがあるのよ)、唐突にプールで泳ぐシーンがあったり。(※実写BLには、ボクシング・プール・絵・音楽というモチーフがとても多いんです、というかそんなんばっかりです。)

なぜかプールで寝そべる二人。
ていうかプールのシーンは必見!マジで見る価値あります!
プールシーンののえるOMOSIRO台詞
「あと3往復したら抱かれてやるよ」
まるでメンズナックルのキャッチコピー(ガイアが俺に輝けとかいうあれ)みたいなこの台詞!!
この台詞は是非流行らせていきたいと思います!!
他にも
「男遊びをやめてやるよ。ただし。俺をつかまえることができたらね」
「本当は僕を抱きたいんだろう?」
この台詞だけでバブルやおい過ぎる!!
プールで視聴者に無駄にサービスしている様は爆笑必至ですので、是非ともご自分の目でお確かめいただきたい!
■BOYS LOVE 劇場版
金持ちの御曹司が集まる全寮制男子校の教師の蒼井は恋人にフラれて(最初からゲイっていう設定なのかどうかはよくわからん)、魔性の美少年とホテルで致した「事後シーン」からはじまります。いきなり「勃たなかったからって気を落とすなよ」とか「あんた前戯はいいよ」とか「3万でいいよ」とかおもしろ台詞ばんばんでがっちり心をつかみます。で、蒼井の学校にこの魔性の美少年「天上(あまかみ)」が転校してくるわけです。厳しい学校にもかかわらず男遊びをやめない天上。蒼井はいつバレるかと天上を避けているのに天上は蒼井に近づいていきます。
天上と同じ部屋の優等生「水木」は同じ優等生の天上のことが気になっていきますが、水木は学校の権力者であり幼馴染の「花園」とその取り巻きにいじめられており…
というのが簡単な設定と大筋でしょうか。うーん、まぁベタですね。
でもDVD版よりはボーイズラブがなんたるかを「わかった」設定になってるのかなぁと思いました。悪くいえば「あざとい」設定になったと。
合間合間にクサい詩のフレーズが出てくるのはDVD版と同じですが、その設定のおかげでそれほどのバブルやおい感は少なくなってます。御曹司って設定なので高校生が大金持ってたりとか、別の意味でのバブルやおい感はありまくりです。

バブルやおいっつーかバブルそのもの。
逆に山の中の全寮制男子校の描写が、どこの林間学校だよ、というようなファンタジーにもならないチープさをかもし出しています。無駄に何回も出てくるシャワーシーンとか、意味不明なラグビーシーンとか、あとソーセージの食べ方はかなり笑えます。
で、いきなり総評してしまいますけど、主人公というかメインの、蒼井×天上は全くといいほど描けていません。天上の設定を軸として物語が進んでいくんですけど、どこで蒼井のことを好きになったのか、蒼井は天上を好きになったのか、そういう肝心なところは曖昧なままで最後まで放置です。かなり深読みしながら観ないと意味がわからないまま終わってしまいます。
ただそんな肝心なことを差し置いてでもこの劇場版を「良かった」と言わしめるものは、あります。

水木の眼鏡キラーン。
それが脇役の水木君です。この物語においてものすごい重要脇キャラです。今風の言葉でいうと「ヤンデレ」ですか?よくわかりませんが。主役を頭からがぶりと喰ってしまってます。DVD版でいうところの古村のキャラが水木に相当すると思うんですが、この劇場版の脚本家はむしろこっちをメインストーリーにしたかったのではないか?と思うほどです。
とにかく狂気に至るまでとその種明かしのストーリー運びはすばらしいです。そして水木役の川久保君。棒読みは棒読みですが、彼のテニミュを見ていた方はその成長ぶりにむせび泣く事必至です。花園の鉄壁の“悪役”美少年っぷりにも、注目と言われなくても目を奪われてしまいます。
エロはほとんどないです。2シーンくらいでしょうか。
全体のストーリーとしては、オチも含めて中途半端。起承転結でいうと、水木の狂気の「転」で盛り上がりすぎて(転が長引きすぎて)「結」がどうでもよくなる感じでしょうか…。ですが、この「転」のためだけに観る価値はあります。ある程度やおいストーリーってものをを見慣れていても、ちょっとこの展開は予測できないです。面白い。
- 2008-03-23 (日) 17:54